- Nami Sakai

- 4月16日
- 読了時間: 3分
更新日:4月22日
JPN Paradox 10|年功序列と年齢差別
年功が重視される中で、年齢が不利に働くとき。

日本をはじめとするアジアの多くの国では、年功が重視される傾向があります。
組織において在籍期間が長く、年齢を重ねるほど、知識や経験が豊富であると考えられ、それに伴い一定の権限や責任が与えられます。
多くの組織では、昇進や報酬もこうした考え方に基づいています。
年功序列のもと、役職や給与も上がっていくのが一般的です。
一方で、日本の雇用制度は比較的従業員を守る仕組みとなっており、企業が従業員を解雇することは容易ではありません。そのため、組織再編(いわゆるリストラ)が必要になると、早期退職の募集が行われ、場合によっては個別に退職を促されるケースも見られます。
こうしたプロセスでは、しばしば一つの基準が存在します。
それが「年齢」です。多くのケースでは40代、50代、60代の社員が対象となっています。
年齢が上がるほど、給与も高くなる。
だからこそ、コスト削減の対象として、「手放すべき人材」と見なされてしまうことがあります。
ここで、ふと思うのです。
経験や知識を持つ人たちが組織を去ったとき、何が起こるのでしょうか。
残るのは、比較的若手の社員であることが多いかもしれません。
まだ十分なリーダーシップ経験やトレーニングを受けていない中で、より複雑な役割を担うことになります。その結果、生産性や意思決定、チーム内の連携にも影響が出る可能性があります。
では、残ることを選んだ人たちはどうでしょうか。
一度は退職を促されたにもかかわらず、そのまま働き続けることを、どのように受け止めるのでしょうか。モチベーションや信頼、エンゲージメントにも影響が出ないとは限りません。
短期的なコスト削減を目的としたリストラが、即効性が見えにくい長期的なコストを生んでいるとしたら、それは本当にコスト削減と言えるのでしょうか。
年功が尊重される文化の中で、その年齢ゆえに人が組織から外されてしまうとしたら、それはどこか皮肉にも感じられます。
結果的に、年齢による差別だと言っても過言ではありません。
もし年齢ではなく、パフォーマンスを基準に再編が行われたとしたら?
制度そのものを見直す必要もあるのではないでしょうか。
私は、どちらが正しいと主張したいわけではありません。
組織は変化していく必要があり、そのための変革も不可欠です。
ただ、変えるべきなのは、こうした課題の捉え方そのものなのかもしれません。
みなさんは、どのように感じますか。
***JPN Dynamix シリーズは、日本を批判するものではありません。一見すると矛盾しているような側面に、さまざまな視点から目を向け、考え、対話を生むためのきっかけをつくる試みです。こうしたギャップや違和感を可視化することで、対話が生まれ、理解が深まっていくことを願っています。ぜひ、皆さんの視点もお聞かせください。***



