- Nami Sakai

- 3月31日
- 読了時間: 3分
更新日:4月9日
JPN Paradox 04|安定と変化
長期的なコミットメントと、絶えず変わる組織変更が重なるとき。

今週、日本では多くの企業で新年度が始まり、
以前から気になっていたあることについて、あらためて考えています。
一般的に人間は「安定」を求めると言われます。
一つの会社で長く働くことは、今でも多くの人にとって美徳とされており、
転職は、時にその価値観に逆らうものと感じられることもあります。
一方で、確実に変化も起きています。
価値観は少しずつ移り変わり、
新しいものとこれまでのものが共存する中で、
ある種の緊張感が生まれるのも自然なことのように感じます。
ただ、ここでふと考えてしまうのです。
長期的な雇用が重視される組織において、
リーダーシップそのものは、意外と流動的なのではないかと。
経営層は一定の期間で交代し、
どれだけ成果を上げていても、その任期はあらかじめ決められていることが多く、
一般的には4年から6年ほどとされています。
社員もまた、定期的に部署を異動し、
場合によっては年に数回異動することもあります。
こうした傾向は企業に限りません。
公的機関においても、似た制度を持つ他国と比べると、
リーダーの交代は比較的多いと言えるかもしれません。
(例えば、日本では19世紀後半以降、約70人の首相が誕生しています。)
つまり、「安定」が重視される仕組みの中に、
絶えず変化も存在しているということになります。
では、これが実際にはどのような影響をもたらしているのでしょうか。
リーダーが変わるたびに、関係性はリセットされ、
お互いを知り直し、どのように協働していくかを再び築いていく必要があります。
新しいリーダーは、新しい方向性をもたらし、
これまで進んでいた取り組みが変わったり、止まったりすることもあります。
信頼関係も、改めて築き直されていきます。
そして、ようやく落ち着いてきた頃に、また同じサイクルが始まることもある。
こうした繰り返しは、時間をかけて築かれる信頼に、
どのような影響を与えるのでしょうか。
見えにくいコストは、どこにあるのでしょうか。
モラルや主体性、継続性には、どのような影響があるのでしょうか。
長期的なコミットメントが重視される一方で、
変化のサイクルの中で運用されているこの仕組み。
これもまた、一つのパラドックスなのかもしれません。
みなさんは、どのように感じられますか。
***JPN Paradox シリーズは、日本を批判するものではありません。一見すると矛盾しているような側面に、さまざまな視点から目を向け、考え、対話を生むためのきっかけをつくる試みです。こうしたギャップや違和感を可視化することで、対話が生まれ、理解が深まっていくことを願っています。ぜひ、皆さんの視点もお聞かせください。***



